🚗 故障率や壊れやすいというイメージの実態
🚗 中古で購入する際の注意点と見極め方
🚗 各モデル(XJ-S、XK、Eタイプなど)の相場と選び方
ジャガーの中古車はなぜ安い?その理由と背景を解説
🟩 壊れやすいというイメージの正体
🟩 故障が多い?実際の故障率とは
🟩 買ってはいけない中古車の特徴
🟩 ステータスとして選ばれにくい理由
🟩 ダサいと思われる背景にある誤解
🟩 中古車を購入する際の注意点とデメリット
壊れやすいというイメージの正体
ジャガーの中古車が「壊れやすい」と言われるのは、かつてのトラブル事例が今でも語り継がれているためです。特に1990年代以前に製造されたモデルでは、電装系や冷却系の不具合が頻繁に起きていたという報告が多く、それが「壊れやすい車」というイメージのもとになっています。
このような評価が広まった背景には、当時のジャガーが高級車でありながら品質管理が十分とは言えなかった時期があったことが関係しています。例えば、旧型モデルではヒューズがすぐに切れたり、オーバーヒートを起こしやすかったりするケースも報告されていました。さらに、国産車のようにどこでも修理できる体制が整っていなかったこともあり、維持するハードルが高い印象を与えてしまったのです。
しかし、現在販売されているジャガーの中古車は、それとは状況が異なります。現行モデルや近年のモデルでは品質管理が向上しており、壊れにくさや耐久性の面でも進化しています。特に、インドのタタ・モーターズ傘下になってからは、コスト面と品質面の両方で改善が進んでいます。もちろん、古いモデルを選べばメンテナンス頻度は増えますが、それはどのクラシックカーにも共通することです。
このため、今のジャガーに「壊れやすい」というレッテルをそのまま貼るのはやや早計です。実際には、適切な整備と部品管理を行えば、長く快適に乗れるモデルも多数あります。つまり、イメージと現実にはギャップがあるということです。購入を検討する際には、年式や整備履歴、そして使用状況をしっかり確認することが大切です。
故障が多い?実際の故障率とは
ジャガーの中古車は「故障が多いのでは?」と心配されがちですが、実際のところはモデルや年式、保管状態によって大きく異なります。すべてのジャガーが頻繁に壊れるというわけではありません。
例えば、信頼性評価で知られる調査機関「J.D.パワー」のデータでは、過去にはジャガーのスコアが平均を下回ることもありました。ただし、これは主に2000年代初頭までの旧型モデルを含む統計結果であり、近年のモデルにはあてはまりにくい部分があります。2010年以降のモデルでは電装系の不具合も減少傾向にあり、ディーラーでのサポート体制も改善されつつあります。
また、故障の原因の多くは「適切なメンテナンスがされていないこと」にあります。ジャガーは高級車であり、エンジンオイルやATF(オートマオイル)などの消耗品の管理が非常に重要です。これらを定期的に交換しないと、正常な部品でも早期に劣化してしまう可能性があります。逆に言えば、点検と整備をしっかり行っている個体であれば、大きなトラブルなく走り続けることも十分可能です。
具体例としては、XJやXFといった人気モデルでも、前オーナーの管理状態次第で故障の頻度は大きく変わります。専門店で点検済みの個体や、ディーラー整備履歴のある車両を選べば、トラブルのリスクは大きく減るでしょう。
つまり、故障が多いかどうかは「ジャガーだから」ではなく、「どう乗られてきたか」「どこから購入するか」に左右される側面が大きいのです。これを理解したうえで選べば、過度に不安を感じる必要はありません。
買ってはいけない中古車の特徴
ジャガーの中古車を検討する際に「価格が安いから」という理由だけで飛びつくのは非常に危険です。見た目が美しく高級感があっても、ある一定の条件を満たしていない車両には、購入後にトラブルを抱える可能性が高いからです。ここでは、買ってはいけない中古ジャガーの特徴について具体的に整理しておきましょう。
まず第一に、「整備履歴が不明な車両」は避けるべきです。高級輸入車であるジャガーは、定期的なメンテナンスが必須です。オイルやブレーキフルードの交換履歴がない、もしくは記録簿が残っていない車両は、前オーナーがメンテナンスを怠っていた可能性があります。このような個体は、購入後に思わぬ整備費用がかかるリスクがあります。
次に、「極端に走行距離が短すぎる車両」にも注意が必要です。一見、走行距離が短い車は状態が良さそうに見えますが、長期間動かされずに保管されていた車はバッテリーやゴム部品の劣化が進んでいることがあります。特にパッキンやブッシュ、ホース類などは経年劣化に弱く、結果的に交換費用が高くつくケースがあります。
また、「後付けのカスタムが多い車両」も慎重に判断したほうがよいでしょう。純正パーツが使われていない場合、整備や交換時に互換性の問題が起きることがあります。特に電装系や足回りのカスタムがされている場合は、トラブルの元となる可能性が高いです。ジャガーは設計思想にこだわりのある車ですから、安易な改造は本来の性能を損ねることもあります。
さらに、「相場より明らかに安い車両」も要注意です。なぜその価格で売られているのかを冷静に判断する必要があります。事故歴がある、重大な機関系トラブルを抱えている、あるいは修理歴が隠されているといった場合があるからです。安さに惹かれて購入しても、後に高額な修理費が発生してしまえば、結果として損をすることになります。
このように、中古のジャガーを選ぶ際には価格や見た目だけではなく、車両の整備記録、使用状況、そして販売店の信頼性をしっかりと見極めることが重要です。安心して長く乗るためには、「買ってはいけない特徴」に当てはまらない車を選ぶ目を持つことが不可欠です。
ステータスとして選ばれにくい理由
ジャガーというブランドには、確かに高級車としての歴史と伝統があります。しかし、日本国内においては「ステータス性のある輸入車」として見ると、ベンツやBMW、アウディといった他のドイツ車と比べてやや存在感が薄く感じられることが多いのが実情です。その背景には、いくつかの要因があります。
まず、「ブランドの知名度」が関係しています。日本ではドイツ車の宣伝が積極的に行われており、街中でも多く見かけるため、ベンツ=成功者の象徴、BMW=スポーティで洗練された人が乗る車、というようなイメージが定着しています。一方、ジャガーはテレビCMなどの露出も少なく、一般層への浸透度がそれほど高くありません。そのため、知らない人にとっては「高級車」であることさえ伝わらないこともあります。
次に、「オーナー層の幅」が限定的であることも理由のひとつです。ジャガーは英国の伝統を感じさせるデザインや、独特のしっとりとした乗り味が魅力です。しかし、その趣味性の高さが、逆に言えば一般層から敬遠される原因にもなっています。国産車からの乗り換えを検討している層にとって、馴染みのないブランドであることや、維持費の高さへの懸念が、選択肢から外れる要因になりやすいのです。
また、社用車や法人利用の場面でジャガーを見かける機会が少ないことも、ステータス性に影響しています。高級車であっても、利用シーンの多さがブランドイメージの構築につながります。日本ではベンツやレクサスが公用車や接客車両に使われることが多く、それが「格のある車」としての認知につながっているのです。一方、ジャガーはそうした場面に登場することがあまりないため、「あまり目立たない車」として受け止められてしまいます。
さらに、近年のジャガーはSUVやEVモデルなど、新たな方向性にも挑戦していますが、そのデザインやコンセプトが従来のジャガーファンからは評価される一方で、広く新規顧客層に訴求しきれていないという側面もあります。結果的に、「ステータス性がある」とは言いづらい立ち位置にとどまってしまっているのです。
このように、ジャガーがステータスとして認識されにくい理由は、ブランドの認知度、用途の限定性、イメージ戦略の弱さなど、複数の要因が絡み合っています。ただし、それは裏を返せば「他人と被りにくい個性ある選択肢」とも言えるでしょう。目立ちすぎない上品な輸入車を求める方にとっては、むしろその控えめなステータス性こそが魅力になるかもしれません。
ダサいと思われる背景にある誤解
ジャガーの中古車について「ダサい」という印象を持たれることがありますが、それは本質を知らない人々による誤解が大きな原因です。実際には、ジャガーは長年にわたってイギリスを代表する高級車ブランドとして、多くの自動車ファンから支持されてきました。それにも関わらず、なぜそのようなネガティブな評価が生まれてしまうのでしょうか。
まず、「デザインが古臭い」と感じられやすい点が挙げられます。これは特に2000年代以前のモデルに顕著で、クラシカルな外観が多く採用されていたため、現代のスタイリッシュなデザインに慣れた人には“時代遅れ”に見えてしまうことがあります。しかし、そのクラシックなデザインは、伝統と品格を重視するジャガーの設計思想の表れです。見方を変えれば、流行に左右されない普遍的な美しさを備えているとも言えるでしょう。
また、「見かけない=人気がない」という短絡的な判断も、“ダサい”というイメージに拍車をかけています。日本ではメルセデス・ベンツやBMWのようなドイツ車が圧倒的に多く走っており、ジャガーはそれらに比べて目立つ存在ではありません。街中であまり見かけないからこそ、「なぜ誰も乗っていないのか?」「かっこよくないからでは?」という誤解が生まれてしまうのです。
さらに、古いジャガーを無理に安く買って、メンテナンスが行き届いていない状態で乗っているケースも一部に見られます。こうした車両がトラブルを起こしていたり、外装に傷やくたびれた印象があると、ブランド全体のイメージが損なわれてしまい、「なんか古くさくてダサい」と思われがちになります。これは個体の問題であり、ジャガーという車全体の価値とはまったく別の話です。
要するに、「ダサい」と思われる背景には、情報の不足や主観的な先入観、そして見た目だけで判断する傾向があるのです。少し視点を変えれば、クラシックな美しさや独自性が魅力であることに気づけるはずです。むしろ他人と被りにくく、自分のスタイルを表現できる車として、ジャガーの中古車は魅力的な選択肢となり得ます。
中古車を購入する際の注意点とデメリット
ジャガーの中古車は新車価格と比較して大幅に安く購入できるため、一見お得に見えるかもしれません。しかし、購入を検討する際にはいくつかの注意点があり、それらを理解しておかないと後悔する可能性もあります。ここでは、ジャガー中古車の購入時に押さえておくべきポイントと、想定すべきデメリットについて解説します。
最初に確認すべきは「整備履歴の有無」です。ジャガーのような高級輸入車は、定期的なメンテナンスが不可欠です。前オーナーがどのように車を扱っていたか、過去にどのような整備が行われたかが記録として残っていない車は、思わぬ不具合を抱えている可能性があります。特に電装系や冷却系に問題を抱えていた車は、突然の故障リスクも無視できません。
次に注目したいのが「部品の供給状況」です。ジャガーはイギリスの車であり、国産車に比べると純正パーツの取り寄せに時間とコストがかかる傾向があります。場合によっては本国から取り寄せる必要があり、修理までに1か月以上かかることもあります。日常的に車を使う方にとって、これは大きなストレスになるかもしれません。
また、修理や点検に対応できる整備工場が限られている点もデメリットです。一般的な整備工場では対応できないことも多く、輸入車専門の整備工場や正規ディーラーに頼る必要があります。これにより、整備費用が国産車の2倍以上になるケースもあります。特に古いモデルでは、定期的な交換が必要な部品が多いため、維持費が高くつくこともあるでしょう。
さらに、燃費や税金などのランニングコストも軽視できません。ジャガーは排気量が大きいモデルが多く、自動車税やガソリン代の負担が大きくなりがちです。特に年収や生活費とのバランスを考えると、維持が負担になってしまうこともあります。
このようなことから、ジャガーの中古車を購入する際には「安さの裏にあるコストやリスク」に目を向ける必要があります。見た目や価格だけで判断するのではなく、整備体制、部品供給、維持費なども含めて総合的に判断することが大切です。しっかりと信頼できる販売店から購入し、整備履歴が明確な個体を選ぶことで、満足度の高いカーライフを実現できるはずです。
ジャガーの中古車がなぜ安いのに選ばれるのか?
🟩 ジャガーの特徴と他の高級車との違い
🟩 乗る人の評判に見るリアルな満足度
🟩 デイムラー・ダブルシックスの相場と傾向
🟩 XJ-S/XJSの相場とクラシックとしての価値
🟩 XKコンバーチブルの相場と選び方
🟩 Eタイプの相場と将来性のある魅力
ジャガーの特徴と他の高級車との違い
ジャガーというブランドには、他の高級車にはない独特の魅力があります。その違いを理解することで、「なぜジャガーが選ばれるのか」をより深く知ることができるでしょう。
まず、デザインにおける個性が際立っています。ジャガーはクラシックとモダンを融合させた独特のスタイルを持ち、他のドイツ車メーカーのような直線的で無機質なデザインとは異なります。例えば、フロントマスクの滑らかな曲線や、リアまで流れるようなシルエットは、見た瞬間にジャガーとわかる存在感を放ちます。内装にも伝統的なウッドパネルやレザーを多用し、イギリス車らしい気品と温かみを感じさせます。
走行性能においても独自のキャラクターを持っています。ドイツの高級車が「正確さ」や「無駄のなさ」を追求しているのに対し、ジャガーは「優雅さ」や「滑らかさ」を大切にしています。乗り味はしなやかで、ゆったりとした時間が流れるようなドライビング体験ができます。スポーティーでありながらも攻撃的ではなく、どこか余裕のあるフィーリングが特徴です。
さらに、エンジンラインアップやパワートレインも他の高級ブランドとは異なり、V6やV8、さらには電動化されたモデルなど幅広く展開しています。ジャガーは早くからEV開発にも力を入れており、「I-PACE」はその象徴的な存在です。これは、高級車としての快適さと環境性能の両立を目指す姿勢の表れでもあります。
他にも、オーナー層に着目してみると、ベンツやBMWが“定番の選択肢”として選ばれる傾向があるのに対し、ジャガーは「他と違うものを求める人」に好まれる傾向があります。そのため、販売台数が少ないことが裏目に出る場合もありますが、逆に「人と被らない」「個性を重視したい」というニーズにはぴったり合致します。
このように、ジャガーは単なる高級車ではなく、“個性と伝統を大切にするブランド”として確立しています。他のプレミアムブランドにはない「英国流の美学」と「走りの余裕」が、ジャガーならではの魅力なのです。
乗る人の評判に見るリアルな満足度
ジャガーの中古車に対しては、「壊れやすい」「維持費が高そう」などのイメージを持つ方も少なくありません。しかし、実際にオーナーとして乗っている人の評判を調べてみると、それらの印象とは少し異なる実情が見えてきます。
特に多い声のひとつが、「他の車では味わえない所有感がある」というものです。ジャガーは単なる移動手段としてではなく、“大人の趣味性”を持つクルマとして選ばれることが多く、車そのものに愛着を持って乗っているユーザーが目立ちます。これは、デザイン性の高さや、インテリアの質感の良さが日々の運転に特別な価値を与えてくれているからです。
一方で、維持に関する現実的な声も確かにあります。「パーツ代が高い」「修理のたびに本国からの取り寄せになることがある」といった体験談は、決して少なくありません。こうしたコスト面については、あらかじめ覚悟しておく必要があるでしょう。ただし、「それでも乗り続けたいと思わせる魅力がある」と話すオーナーが多いのも特徴です。
また、「乗り心地の良さ」について高評価をつける人も目立ちます。特に長距離運転時における快適性や、静粛性に関しては、「さすが高級車」といった感想が多く聞かれます。走りについても、「思っていたよりも安定感があり、安心して加速できる」といった意見があり、見た目だけでなく性能面でも満足度は高いようです。
もちろん全員が手放しで絶賛しているわけではなく、年式によっては不具合の出やすいモデルも存在します。そのため、購入前には信頼できる販売店を選び、整備履歴が明確な個体を選ぶことが重要です。こうすればトラブルのリスクを最小限に抑えることができ、ジャガーの魅力をより安心して楽しむことができます。
最終的には、「手間や費用がかかっても、それを上回る満足感があるかどうか」が判断基準になるでしょう。そして多くのオーナーは、そのバランスが取れているからこそ、あえてジャガーを選び、愛着を持って乗り続けているのです。
デイムラー・ダブルシックスの相場と傾向
デイムラー・ダブルシックスは、英国王室御用達ともいえる格式を備えたサルーンとして、現在でもクラシックカー市場において一定の存在感を保っています。ジャガーXJシリーズの派生モデルとして登場したこの車は、内外装の豪華さと、名高いV12エンジンを搭載していた点が特徴です。では、その中古市場における相場と動向はどうなっているのでしょうか。
まず、現在の市場相場を見てみると、コンディションや年式に大きく左右されますが、概ね100万円台から300万円台で取引されるケースが多い傾向です。ただし、これは走行距離が比較的多かったり、メンテナンス履歴が不明な個体に限られる価格帯です。フルレストア済み、またはオリジナルコンディションが極めて良好なものになると、400万円を超える場合もあります。
こうした相場の背景には、「維持費の高さ」と「部品供給の難しさ」が大きく影響しています。デイムラー・ダブルシックスに搭載されたV12エンジンは非常に滑らかで静粛性にも優れていますが、その分構造が複雑で、メンテナンスの手間も相応にかかります。さらに、年式が古くなるにつれ純正部品の確保が難しくなり、イギリス本国からの取り寄せが必要になることも珍しくありません。
一方で、デイムラーというブランドそのものに魅力を感じる愛好家も多く、販売台数が少ない希少性からコレクターズアイテムとして評価が高まってきている側面もあります。特に、内装の仕上げや後席の快適性は現代の高級車にも劣らないといわれ、所有する満足感は価格以上だと感じる人も少なくありません。
今後の相場については、維持できる体制がある限り、じわじわと上昇する可能性もあります。特に、30年以上が経過したモデルは「クラシックカー」として見なされつつあり、今後さらに希少価値が高まる可能性があります。もし手に入れるなら、できるだけ整備状態が良く、信頼できる販売ルートから購入することが、長期的な満足につながるでしょう。
XJ-S/XJSの相場とクラシックとしての価値
XJ-S(後にXJS)は、1975年から1996年にかけて製造されたジャガーの2ドアグランドツアラーで、今なおクラシックカー市場において特別な立ち位置を占めるモデルです。Eタイプの後継として登場したXJ-Sは、スポーツカーというよりはラグジュアリー・ツアラーとしての性格が強く、時代ごとの進化を経てファン層を拡大してきました。
現在の中古市場での相場は、年式や仕様、状態によって大きく異なります。おおよその目安としては、走行距離が多く、状態が並の個体であれば150万〜250万円程度で取引されることが一般的です。一方、低走行かつフルレストア済み、もしくは限定モデルとなると400万〜600万円前後の価格がつくこともあります。特に、後期型の「XJS V12」や「コンバーチブル」は市場での評価が高く、価格が安定しています。
XJ-Sがクラシックカーとしての地位を築いている理由には、いくつかの要素があります。第一に、グランドツアラーとしての乗り心地とパフォーマンスが今なお通用するレベルである点です。特にV12モデルは、当時の高級車にふさわしい静粛性と伸びのある加速性能を備えており、ゆったりとした高速巡航が得意な車です。
また、ボディデザインも年々再評価が進んでいます。Eタイプほどの派手さはないものの、長いノーズと低い車高が醸し出すシルエットは優雅で、クラシックな魅力を持っています。さらに、製造期間が20年以上と長く、前期・中期・後期と細かく仕様が分かれているため、好みに応じたモデル選びができることも魅力です。
一方で、維持にかかるコストと手間は無視できません。特に初期モデルは電装系や燃料系にトラブルを抱えやすく、整備履歴や交換部品の有無が購入時の大きな判断材料となります。また、前述のV12エンジンは魅力的な反面、燃費が悪く、修理費も高額になる傾向があります。
このように、XJ-S/XJSは「性能・デザイン・歴史」の三拍子が揃った魅力的なクラシックカーですが、長く付き合うには相応の覚悟も必要です。それでも、国産車や量産型輸入車にはない希少性と情緒を味わいたいという人にとっては、非常に価値のある1台といえるでしょう。状態の良い車両を見つけたら、早めに確保するという選択も、十分に検討の余地があります。
XKコンバーチブルの相場と選び方
XKコンバーチブルは、ジャガーが誇るラグジュアリーかつスポーティな2ドアオープンモデルです。特に2006年以降の「X150」世代は現代的なアルミボディを採用し、エレガントな外観と高い走行性能を両立しています。中古市場でも一定の人気があり、「走りと上質さを兼ね備えたオープンカーを手頃に手に入れたい」と考える層に支持されています。
相場を見てみると、2020年代現在では200万〜500万円程度が中心価格帯です。前期型(2006~2010年式)では、走行距離や内外装の状態によって200万円台から見つかることがあり、後期型や5.0Lエンジン搭載車などの上級グレードになると400万円を超えることも珍しくありません。また、限定モデルや走行距離が極端に少ない個体は、600万円以上のプレミア価格がつく場合もあります。
選び方のポイントとしては、まず年式とエンジンの違いに注目すべきです。XKコンバーチブルには4.2Lと5.0LのV8エンジンが用意されており、前者はよりクラシカルなフィール、後者はより現代的で力強い加速が特徴です。また、同じモデルでも「XKR」や「XKR-S」などの高性能仕様が存在し、スポーツ走行を重視したい方にはそちらが適しています。
次に確認すべきは、メンテナンス履歴と消耗品の状態です。高年式の輸入車であっても、油脂類や電装系、幌の開閉機構などに経年劣化が見られることがあります。XKコンバーチブルの幌は電動で操作できますが、モーターの動作不良やゴムシールの劣化による雨漏りが起きやすいため、内装の水染みや異音には注意が必要です。
さらに、試乗時には足回りの硬さや変速ショックにも注目してください。サスペンションのへたりやATの制御不良は、高額な修理費用につながる可能性があります。できれば専門知識のある整備士に事前点検を依頼するのが理想的です。
XKコンバーチブルは、クラシックな雰囲気を持ちながらも現代の安全基準や快適装備を備えた稀有な存在です。その美しいシルエットと独特のエンジンサウンドは、所有するだけで日常に高揚感をもたらしてくれます。趣味性と実用性のバランスを求める方にとって、非常に満足度の高い一台になるでしょう。
Eタイプの相場と将来性のある魅力
ジャガーEタイプは、1961年に登場して以来、「世界で最も美しい車」と評された伝説的なモデルです。エンツォ・フェラーリがその美しさを賞賛したという逸話も有名で、今でもクラシックカー市場では特別な存在として扱われています。Eタイプはデザインだけでなく、性能面でも当時のスポーツカーとして非常に優秀で、現在でも十分に走行を楽しめる実力を持っています。
現在の相場は非常に幅広く、シリーズや状態によって大きく異なります。もっともポピュラーなシリーズ1は、オリジナルの状態が保たれていれば1,500万円〜2,500万円台が目安です。シリーズ2や3は若干価格が下がり、800万円〜1,500万円程度で見つかることもあります。ただし、どのシリーズもレストア済みや希少色、右ハンドル・マニュアル仕様などの条件が加わると、大幅に価格が上がります。
Eタイプが高額で取引される理由のひとつは、その希少性です。特にオリジナルのボディや内装を維持している個体は非常に少なく、年々数が減っている現状があります。また、ジャガー自らがクラシック部門を設けてEタイプのレストアや復刻を行っていることも、ブランド価値を高めている一因です。
一方で、維持管理には細心の注意が必要です。Eタイプは半世紀以上前の設計のため、現代車のような信頼性は期待できません。特に冷却系、ブレーキ系、電装系はトラブルが多く、購入後に一定の整備コストがかかると考えておいた方が無難です。また、純正パーツは高額なうえ、イギリスから取り寄せる必要があることもあります。
それでも、Eタイプの魅力は色褪せることがありません。洗練されたプロポーション、軽量なモノコック構造、そして直列6気筒エンジンの鼓動感は、他のクラシックカーにはない独自の個性です。特に旧車イベントやクラシックカーラリーでは一目置かれる存在で、周囲の注目を集めること間違いなしです。
また、近年では投資対象としてEタイプを選ぶ愛好家も増えています。適切に管理された個体であれば、10年、20年後にも価値が落ちにくく、むしろ上昇傾向にあると予想されています。単なる趣味の車としてではなく、資産価値のある文化的財産としての魅力を持っている点も、他のクラシックカーとは一線を画す理由です。
このように、Eタイプは趣味性・美術的価値・将来性のすべてを備えたモデルです。予算と整備環境が許すのであれば、一生ものの1台として所有する価値は十分にあるでしょう。
ジャガー 中古 なぜ 安いのかを多角的に読み解く
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1990年代以前の不具合が今も悪評として残っている
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電装系や冷却系の初期トラブルが壊れやすい印象を強めた
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品質管理の低さが「信頼性の低さ」と結びついた
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国産車に比べて整備環境が限られていた
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現行モデルでは品質が大幅に改善されている
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整備履歴が不明な中古車は故障リスクが高い
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メンテナンスコストが高く維持に手間がかかる
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相場より安すぎる車は何かしらの問題を抱えている可能性がある
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ステータス性が浸透しておらず人気が限定的
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クラシックなデザインが「古臭い」と誤解されがち
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市場流通量が少なく目立ちにくいため選ばれにくい
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一部の個体が整備不良でイメージを悪くしている
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他ブランドに比べてブランド戦略が弱い
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故障は管理状態に大きく依存する傾向にある
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高年式でも適切な整備で良好な状態を維持できる